甲状腺
甲状腺疾患には、機能亢進、機能低下、腫瘍などがあります
甲状腺ホルモンとは、元気の元のホルモンなので、機能低下の場合は元気がない、むくむ、脈が遅い、汗をかかないなど元気が出ないような症状が起きます。軽症では、症状はありませんが、血液検査で、筋肉由来のCPKが高くなったりします。女性で年齢が高い人に多くみられると言われますが、検診などの一般的な採血では見つからないことが多いです。治療は、甲状腺ホルモンの薬を内服するだけなので、簡単なものです。
一方で、甲状腺機能亢進は、元気が出過ぎるわけなので、汗をかきやすい、いらいらしやすい、不眠、脈が速い、体重が減ってきたなどの症状が出ます。機能亢進の方は、脈が速いことや不整脈から見つかることも多いです。また、急に脱力発作を起こす周期性四肢まひという病気も引き起こします。男性に多いのですが、急に力が入らなくなって、崩れてしまうような状態です。一時的なものなので、見逃されていることも少なくありません。特徴的なのは、血液中のカリウムが減少することです。バセドウ病とも言われますが、甲状腺機能を押さえる薬で、症状は改善します。バセドウ病は、内服で調整がつかない場合、手術になる場合もありますが、内服している間に、病気が治ってしまう場合もあります。問題は、治ってるかどうかを判断することが難しいことです。
甲状腺などの内分泌は、全身をめぐるホルモンの量が減ると脳の中枢に指令が行って、増やすように指示が出たり、逆のことが起きたりします。なので、血液中のホルモンの量の測定だけでは、機能低下や機能亢進の程度がわかりずらくなります。
この場合、TSHというホルモンの微妙な変化で、機能低下になっているか機能亢進になってるかを判断しなくてはなりません。
最近、体調がおかしい、周りから何か変だぞと言われるようになったなど精神的な部分から来ているのかと感じておられる方は是非ご相談ください。また、現在治療中でも、薬の量があってるのか、このままずっと飲まないとならないのかなどご心配されている方もご相談ください。
内分泌の病気は、様々です。高血圧を起してしまう原発性アルドステロン症や褐色細胞腫など、一部の症状しか表面に出ないものが多くあります。単なる高血圧だと思っていても、そういった基礎疾患が裏に隠れていることもたまにあります。
バセドウ病の薬を内服されている方へ
バセドウ病は自然に治ってしまうことがあります。
TSHレセプター抗体が陰性になれば、治っている可能性があります。
また、TSHの値が高めになりだした場合も注意が必要です。
バセドウの薬が多すぎる可能性があるからです。
バセドウの薬は自己免疫性低血糖を起こすことがあるので、低血糖を起こしやすい人も注意が必要です。
また、脈が遅くなる、心臓が少し腫れてきたなども薬が多い可能性があります。
特に手術で、甲状腺亜全摘を受けられた方は、残っている甲状腺のエコーの検査を定期的に受けてください。大量の発汗が、機能亢進の症状ではなくて、過量の薬による機能低下を補うために、残存甲状腺が、機能亢進様の症状を起こしている場合があります。その際も、エコーの検査である程度判断が出来ます。
バセドウ病は、自然に治る可能性のある病気ですので、からだのいろんな変化に注意を傾けておいてください。